表具店・横川伯鳳堂は島根県安来市で西陣金襽を使い掛け軸(掛軸)や古書画の仕立て直し、修復、しみ抜き、表装、表具、時代表装をしています。

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横川伯鳳堂

折り伏せ・折れ止め

2008年1月28日
曲げ伸ばしを繰り返すうちに本紙に折れがでたり、切れたりするのを防ぐ為の技術です。

大切な御本紙を和紙の力で次の時代へと守ってくれる技術です。

   掛軸や巻物は巻いて収納するため特有の傷み方があります。原因はさまざまですが取り扱いの不備や裏打の糊が硬い為、曲げ伸ばしを繰り返すうちに本紙に折れが発生します。折れた部分が擦れ、更にはその部分が切れ、御本紙が断裂破することもあります。

掛軸を仕立て直す際、それらを防ぐための技術に 「折り伏せ」・「折れ止め」 と言われる作業があります。

御本紙の修理は先ず、旧裏打を除去し煤や汚れを取り除き、新しい和紙で裏打ちします。その後、御本紙をライティングテーブルに乗せ、ごく細く裁断した薄美濃紙を折れた部分に当て補強します。和紙の繊維の力が次の修理まで大切な御本紙を守ってくれるのです。

痛み具合によっては「折れ止め」の作業が数日に及ぶこともありますが、 『本紙を大切にする心』 で小さな折れまで補修します。損傷した作品はこの作業抜きでは長く後世に伝えることはできません。 次の時代へと守ってくれる「折り伏せ」・「折れ止め」は、表から見えることは有りませんが、時を経て次の修復の折り表具師が見るのみです。

*小さな折れも残さず、折り伏せした古画
小さな折れも残さず、折り伏せした古画

大切な掛軸を和紙の力で次の時代へと守ってくれる技術です。



 また、新しい掛軸の表装でも本紙と裂地の境目は折れが出やすいので、予め折り伏せを入れる事もよくあります。

折り伏せ・折れ止め
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