三尊図を修復いたしました
2009年3月28日
修復前の三尊図
傷んでいる三尊図の掛軸です。
写真では小さくて分かりませんが本紙に沢山の折れがあります。
表装は”三段表装”ですがこの本紙に対しては、本尊表具と呼ばれる表装が適しています。
本紙だけの状態になった三尊図
本紙だけにした三尊図ですが、本紙の折れや欠損部分、絵の具の剥落で、作品の持つ迫力が薄れています。
折れや剥落などを修復、補筆した比較写真
この写真は、修復前と修復後の比較写真です。
修復前の絵の具の剥落部分や折れが修復後では、綺麗に修復、補筆されているのが分かります。
本紙の折れ止め、復元補筆後の三尊図です。
修復後の三尊図
完成した三尊図(真の草)
修復前の表装は三段表装でしたが、本紙が宗教的な内容を持つものですので、神聖表具、仏表具と呼ばれる”真の草”に仕立てました。大廻りの裂地は西陣で織った雲柄の正絹緞子を使い、中廻しは正絹金襴の青地を使用しました。
講で三幅対として用いられる掛軸ですので、大廻りの雲柄も中廻しの金襴の柄も三幅全て柄を合わせました。写真を見ていただくとお判りいただけると思います。
ご紹介いただいた東出雲の乗光寺住職様やご依頼いただいたお客様にも大変喜んでいただきました。
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