表具店・横川伯鳳堂は島根県安来市で西陣金襽を使い掛け軸(掛軸)や古書画の仕立て直し、修復、しみ抜き、表装、表具、時代表装をしています。

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<過マンガン酸カリ・亜硫酸水素ナトリュウム>での漂泊の危険性

2015年4月6日
  • 過マンガン酸カリの長所。酸化漂泊と副成する苛性カリにより付着している汚れ成分の動植物油と化学反応して脂肪酸石鹸を作り、除去すると同時に陰イオン界面活性剤として他の汚れ成分も除去する相乗効果を発揮する。

 

  • 過マンガン酸カリの欠点。上記の通り優れた反面、目に見えない所で大変な化学反応が起こっています。それは過剰に副成された苛性カリで御本紙の繊維が危険な方向に変化する事です。アルカリ繊維となりヌルヌル状態で繊維の膨らみから溶解の危険を招くこ事もあります。過マンガン酸カリの使用目的は茶褐色の二酸化マンガンを作ることで、次は素早く次工程に移るか、又は強アルカリを中和する事です。

  • 亜硫酸水素ナトリュウム。還元剤について。過マンガン酸カリ処理で出来た二酸化マンガンを硫酸マンガンとして無色透明で水に可溶性の物質にして水洗い除去する事が目的です。

 

  • 亜硫酸水素ナトリュウムの欠点。二酸化マンガンと化学反応をして硫酸マンガンになり、この時発生する亜硫酸ガスは大変猛毒で人体にとても危険な有害物質です。

     その液性は大変強い酸性で水洗いの時、絵の具・墨・朱印が流出する事があります。
      

過マンガン酸カリ・亜硫酸水素ナトリュウムでの漂泊での危険性。

本紙が絹本・紙本に関わらず、還元反応後の水洗い時に絵の具や墨と共に        本紙の表面が削り取られるようなものです。
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