会津藩士 廣澤安任の屏風仕立て直しです。
2008年5月25日
お客様の声
「絵や書がはっきり見えて、良くなりましたね。お願いして良かったですわ。」

屏風の全体写真です
修復前の状態が非常に悪く、絵や書が見えにくい状態で本紙自体も非常に損傷していました。
まず、現状の本紙の損傷具合を確認して墨や印譜を補強処理しました。
本紙に光線を当て本紙の置かれた状態を確認すると、前回修復を手掛けた表具師の技術が悪くて非常に本紙を傷めていました。
本来はあるべき本紙の厚さが無理に剥がしたことにより薄くなったり、本紙に穴を開けたりしていることが分かりました。

傀儡師を描いた比較写真
四条派の筆による傀儡師の図です。
作品をじっくりと眺め作業を進めているととても面白い図だなと感心しました。
こちらの本紙の損傷もひどく、仕上がりがどのようになるか気がかりでしたが、古色を残してこのように修復することができました。
左から修復前の本紙です。
真ん中は煤抜き前の肌裏を剥がし水で濡れている状態です。
ご覧の通り前回手掛けた表具師が本紙を傷つけ、ムラに剥がしており本紙の本来の厚さと傷つけて薄くなた部分がはっきりと見えます。この差を仕上がりで克服するのに苦労いたしました。
右の写真は、染み抜き・煤抜きをして修復後の写真です。

修復工程の比較写真
これは、書の部分の拡大写真です。これを見てもはっきり見えます。
この厚みの差が煤抜き処理した後、剥ぎムラが目立たないよう処理することに苦労しました

拡大写真
左写真は、煤抜き前の古い肌裏がある状態です。本紙の損傷もあります。
真ん中は、煤抜き処理後の古い肌裏を取り除いた本紙を裏から見た写真です。これを見ても本紙の剥ぎムラが見て取れます。
右写真は、修復後の写真です。ムラがあまり目立たないように仕上がりました。

修復工程の写真
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